メッツの売却問題が事実上決着した。現地14日にメッツが、ヘッジファンドマネジャーで富豪のスティーブ・コーエン氏が買収に合意したと発表したのだ。

コーエン氏は2012年にメッツの株式8%を取得し、少数オーナーとなっている。昨年現オーナーのウィルポン家とカッツ家がチームを売却する意向を示すと、12月から26億ドルで株式の最大80パーセントを取得することを目的に交渉に入った。しかし折り合わず、今年2月にいったん撤退していた経緯がある。

その後メッツの買収には元スター選手、アレックス・ロドリゲス氏と同氏の婚約者である歌手のジェニファー・ロペスが大手銀行JPモルガン・チェースと買収の意向を示したが、先月撤退。6月にはNBAフィラデルフィア・76ersとNHLニュージャージー・デビルスのオーナー、ジョシュ・ハリス氏とデービッド・ブリツアー氏も買収に乗り出すなどしていた。さらに7月にコーエン氏が買収に復帰し、8月28日から同氏に独占的な交渉権が与えられ、約2週間の交渉で合意に至っている。

買収額は24億2000万ドルで、これは2018年にNFLのカロライナ・パンサーズが22億7500万ドルで買収されたのを上回り、北米のスポーツチームでは最高額での買収となる。MLBでは2012年にドジャースが21億5000万ドルで買収されたのがこれまでの最高額だった。

今回の買収でコーエン氏はメッツの株式の95パーセントを得ることになる。残りの5パーセントはウィルポン家とカッツ家が維持し続けるということだ。またメッツの試合を地元地域で放映する権利を持ち、ウィルポン家がオーナーの地元局スポーツネット・ニューヨークは今回の買収契約には含まれていない。

コーエン氏は声明で「ウィルポン家、カッツ家とニューヨーク・メッツ買収に合意できたことをうれしく思う」とコメントしている。

ただコーエン氏が正式にオーナーとなるためには、オーナー会議で30票のうち23票以上の賛成を受けなければならない。そのオーナー会議が開催されるのは、早くても来月で、場合によっては四半期に1回開催されている定例の11月にずれ込む可能性もある。

コーエン氏のメッツに対する注目の次の動きはベースボール運営部門の編成をどうするかだが、買収の正式承認が遅れれば、来シーズンに向けた動きに支障が出る可能性もありそうだ。