元レッドソックスのカート・シリング氏の米野球殿堂入り投票に関する言動が物議をかもしている。

現地26日、殿堂は今年の投票結果を発表し、8年ぶり、77年の歴史で9度目の該当者なしとなったことが明らかになった。通算216勝を挙げたシリング氏は総票数401中、71・1%を獲得し最多得票だったが、選出の条件である75%に16票届かなかった。9年連続で落選となり、全米野球記者協会(BBWA)による投票での殿堂入り資格は来年で最後となっている。

この結果を受け、シリング氏は自身のフェイスブックで「最終年の投票には参加しない。来年の候補から自分を除外するよう要請している」という長文の投稿をし、さらにツイッターに「元選手たちは当然究極の審判を下すだろう。道徳的に破綻した詐欺集団が自分の人生について嘘をつくことをもう1年許すことができない」と投稿したのだ。

この投稿の背景には資格獲得後10年間はBBWAでの投票で殿堂入りが決定するのに対し、その後は元選手で構成されるベテラン委員会での審査で決定されるという制度がある。つまりシリング氏はBBWAの記者たちを「詐欺集団」と呼び、彼らによる投票を拒否し、その後ベテラン委員会による殿堂入りを望むと表明したのである。

なぜこんな表明に至ったのか。それはシリング氏がこれまで差別的な言動を繰り返してきたことが原因だ。ただですらそのことが非難されてきたが、決定的になったのが1月6日にトランプ前大統領の支持者が連邦議会に突入したテロ事件である。シリング氏はこの事件を支持する発言をしたのである。

殿堂入り投票は事件の前に締め切られていたため、今回の結果にこの発言は反映されていない。しかし一部投票者がシリング氏の発言を知り、投票を撤回したいと申し出たと報じられたのである。投票撤回は認められなかったものの、シリング氏がBBWAに反感を抱いたのは間違いないだろう。さらに今回殿堂入り目前まで得票できたものの、来年得票数が下がるのは確実と考えたとも受け取れる。

とても品のある言葉づかいとはいえないシリング氏の拒否宣言に対し、BBWAは「殿堂は1936年にBBWAを有権者に任命しました。この協会は85年間規則を順守しており、今後もそうし続けるでしょう。BBWAは、シリング氏の要求を拒否するよう理事会に要請します」という声明を発表した。

実際来年の投票がどうなるかは別として、少なくともシリング氏のイメージがさらに下がってしまったのは事実だろう。