アメリカでの新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、MLBが急速に本来の姿を取り戻しつつある。スタジアムの収容率を100%に戻すチームが半数に達したのだ。

現地9日、ホワイトソックスは本拠地ギャランティードレイト・フィールドでの6月25日のマリナーズ戦で収容者数をフルに戻すと発表した。これは同じシカゴのカブスが11日のカージナルス戦からやはりフルにすると発表した5日後に行われている。

ホワイトソックスは25日の試合で、試合後に花火を打ち上げるとしている。またシーズンチケット所有者の座席は本来の位置に戻され、これまで場内でのソーシャルディスタンスをとるため、ポッドと呼ばれる数席単位で販売されてきた制度も廃止されるということだ。

ホワイトソックスのマーケティング責任者ブルックス・ボイヤー氏は声明で「パンデミックが始まって以来、組織全体が、ホワイトソックスの野球を実際に見ていただくために、すべてのファンを家にお迎えできる日を待ち望んでいました。毎年恒例のホーム開幕戦を盛大に祝うことになるでしょう」とコメントしている。

昨年MLBのレギュラーシーズンではコロナウイルスの流行によりファンは入場が許されなかった。今シーズンに関しても開幕時期にファンを100%入れることを許可したのはレンジャーズのみだった。

しかしその後5月7日に戻したブレーブスに始まり、5月25日のダイヤモンドバックス、29日のレッドソックス、31日のロイヤルズなど100%に戻すチームが続出。ホワイトソックスと同じ6月25日のアストロズ、ブルワーズ、7月5日のツインズまで含めると全30チーム中15チームとなったのである。

一方で33%に絞っているヤンキースや78%のメッツ、わずか18.9%のマリナーズなどについてはまだいつ100%に戻せるかは明らかになっていない。

さらにブルージェイズに関してはカナダが入国制限を設けているため、フロリダ州ダニーディンにあるスプリングトレーニング施設での開幕を余儀なくされ、6月1日からはニューヨーク州バッファローにあるトリプルA用スタジアム、サーレンフィールドでホームゲームを行っている。同スタジアムでは収容率が35%であるものの、元々の規模が少ないため約5,800枚しかチケットが販売できない状況だ。本来の本拠地トロントに戻れるのは早くても数ヶ月かかると見られている。

このフル入場可能宣言の波が加速することを祈るばかりである。