いよいよ2021年ワールドシリーズが始まった。現地26日に行われた第1戦ではブレーブスがアストロズを6対2で破っている。

改めて今回の組み合わせについて見てみたい。まず「悪役」というイメージがあるのがアストロズだ。2017年にワールドシリーズを制覇したものの、この年サイン盗みをしていたことが19年オフに発覚、大騒動となった。当時のジェフ・ルノーGM、AJ・ヒンチ監督、アレックス・コーラ・コーチなどが職務停止処分を受け、チームも20、21年のドラフト1巡目、2巡目の指名権が剥奪されることとなったのである。その記憶がファンの間には強く残っており、有観客となった今シーズン、アウェーの試合でアストロズには「チーター(詐欺師)」といった厳しいヤジが浴びせられることが多かったのである。

その一方でアストロズは豪華な布陣を誇り、95勝67敗というア・リーグで2番目の成績で5年連続プレーオフに進出した。総年俸額はMLBで4番目に多い1億9450万ドルとなっている。特に年俸上位5人のうち4人が野手と打者に力を入れているのが特徴で、2900万ドルのホセ・アルトゥーベ二塁手を筆頭に、3位マイケル・ブラントリー外野手、4位アレックス・ブレグマン、5位カルロス・コレア遊撃手と続く。2位は11勝を挙げたザック・グレインキー投手で3500万ドルである。

また若手のフランバー・バルデス投手とルイス・ガルシア投手は共に年俸が65万ドル未満だが、11勝ずつを挙げており、ポストシーズンでも先発で重要な役割を担っていることも見逃せない。

対してブレーブスはアレックス・アンソポロスGMが7月に手腕を発揮したトレードで華麗に復活した印象が強い。18年の新人王で2度シルバースラッガー賞に輝くロナルド・アクーニャ・ジュニア外野手が7月10日に膝前十字靭帯(じんたい)断裂の重傷でシーズン絶望となった時にはチームの先行きに暗雲が立ちこめることとなった。

このピンチに対しアンソポロスGMは、15日にマイナー選手との交換でカブスから15年にオールスターに選出されているジョク・ピーダーソン外野手を獲得。さらにトレード期限直前の30日にエディ・ロザリオ外野手をパブロ・サンドバル内野手と金銭との交換でインディアンズから獲得することに成功したのである。2人とも期待通りの活躍しており、特にロザリオはナ・リーグ優勝決定シリーズで3本塁打を含む1つのポストシーズン・シリーズでの最多タイとなる14安打を放ち、シリーズのMVPを獲得している。

ブレーブスの年俸総額は1億4750万ドルで12位。上位4人のうち、2位で1500万ドルのチャーリー・モートン投手をはじめ、3位のウィル・スミス投手、4位ドリュー・スマイリー投手と投手に投資しているのがアストロズとは対照的だ。

アストロズが優勝すれば5年間で2回目と「王朝」を確かなものとなり、ブレーブスが優勝すれば1995年以来の栄光復活となるが、果たしてどうなることだろう。