現地2日、ブレーブスはアストロズに7対0で快勝、対戦成績を4勝2敗として今年のワールドシリーズを制覇した。1995年以来26年ぶり、フライチャイズ史上4回目の快挙である。

この試合では3回に2番指名打者のホルヘ・ソレア外野手が左翼場外への特大3点本塁打で先制。5回には9番ダンズビー・スワンソン遊撃手が2点本塁打を放ち、7回に3番フレディ・フリーマン一塁手がソロ本塁打でとどめを刺す、長打攻勢となった。フリーマンは「今シーズンは考える限りの障害に直面し、それでも何とかたどり着いた」とコメントしている。

実際フリーマンの言葉はそのとおりだろう。18年の新人王で2度シルバースラッガー賞に輝くロナルド・アクーニャ・ジュニア外野手が7月10日に膝前十字靭帯断裂の重傷を負い、戦線を離脱。オールスターブレイクの時点では、44勝45敗という成績だったのである。しかしブレーブスはシーズン前半を負け越した後、優勝した2つめのチームとなった。

この逆転劇の要因はなんといってもアレックス・アンソポロスGMによる期限直前でのトレードが成功したことが大きい。7月15日にマイナー選手との交換でカブスから15年にオールスターに選出されているジョク・ピダーソン外野手を獲得。ピダーソンは、ブリュワーズとの地区シリーズで、出塁率と長打率を足し合わせた値OPSで1.714、2本塁打、5打点を記録する活躍を見せた。

さらに30日にエディ・ロザリオ外野手をパブロ・サンドバル内野手と金銭との交換でインディアンズから獲得することに成功した。ドジャースとのナ・リーグ優勝決定シリーズで3本塁打を含む1つのポストシーズン・シリーズでの最多タイとなる14安打を放ち、シリーズのMVPを獲得している。

同じ30日にはマイナーリーガーのケイシー・カリッチ投手と交換でソレアも獲得した。ソレアは第6戦の特大弾を含むワールドシリーズ3本塁打でシリーズMVPに輝いている。

しかもこの3人の年俸は合計で2060万ドルにすぎない。まさに最高効率で緊急補強を大成功させてつかんだ栄光だといえよう。

ただこの栄光のすぐ後にはまた試練が訪れようともしている。今回7月に獲得した3人の外野手はいずれもシーズン後フリーエージェントとなるのだ。さらに12年のキャリア全てをブレーブスで過ごしてきたチームの顔、フリーマンもやはりフリーエージェントとなる。栄光の座の維持に向けて、またもアンソポロスGMの手腕が試されることになるのは必至だ。

ワールドシリーズ第6戦 3回、先制3ランを放つブレーブス・ソレア(AP)
ワールドシリーズ第6戦 3回、先制3ランを放つブレーブス・ソレア(AP)