現地21日に開催された電話会議で、MLBは全チームの営業担当者にCBDのスポンサーシップを解禁したことを通知した。これにより各チームはCBDブランドと契約することが可能となる。

CBDはカンナビジオールという麻からの抽出物の略称で、依存や身体的依存、耐性は見られない。寝る前にお茶にたらす、カプセルの形で飲む、電子タバコに入れるなどして摂取すると慢性痛や睡眠障害に効果があるとされる。世界アンチ・ドーピング機関は2018年からCBDを禁止薬物リストから除外、国際オリンピック委員会は平昌オリンピックから使用を認めている。日本でも麻薬中毒作用のある成分、テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていないことが証明されれば大麻取締法上の「大麻」に該当せず、輸入、利用することが可能だ。

またアメリカでは大麻合法化の動きが進んでおり、現在19州で成人の利用が解禁されている。その一方で連邦政府は大麻全体を依然として違法薬物に指定したままだ。そのためいわゆる4大プロリーグはCBDブランドと契約することを禁止してきた。

今回MLBはスポンサーとなるCBD製品がコミッショナーのオフィスによって承認され、THCの含有量が精神に影響を与えないレベルであることを世界的な健康機関NSFによって認定されることを条件に契約を結べるとしている。チームは契約によって、スタジアムの看板、デジタルアクティベーション、来年からはCBDブランドへのジャージパッチの販売が許可されるということだ。

MLBのノア・ガーデン最高収益責任者によるとNSFの認定を受けた製品はまだないものの、3から5の製品が現在手続き中だという。

CBDの市場は急拡大しており、認知度も高まっている。昨年3月には総合格闘技団体UFCがイギリスのCBD生産企業ラブヘンプと5年間のスポンサー契約を結んでいる。その一方でアメリカンフットボールNFL、バスケットボールNBA、アイスホッケーNHLは依然としてCBD企業との取引を禁止したままだ。

ガーデン氏は「この件について会いに来た最新の数社はNSF認証のプロセスを受け入れました。そのおかげで、私たちは安心して前に進むことができたのです」とした上で、「我々のファンは、彼らが探しているような顧客であり、我々は一番乗りが好きなのです」と解禁について語っている。

MLBはCBDという新たな分野に踏み込むことで収益源を広げ、さらなる成長を目指している道を選んだのだ。