オリオールズのオーナーシップを巡るお家騒動が決着を迎えたようだ。現地7日にAP通信などが報じている。

オリオールズの共同オーナーであるピーター・アンジェロス氏の意向を無視して長男のジョン氏が会長兼CEOとなり、経営権を握ったとして弟のルー氏が訴えていた訴訟を終わらせることに合意したものだ。

昨年6月、ルー氏は兄と母ジョージア氏が一族の財産から自分を切り離そうとしているとして訴訟を起こした。さらにオリオールズの増資分を購入するため、6500万ドルの銀行口座を一部引き下ろしたと付け加えている。対してジョン氏は1月、両親がチームの70%以上の株を保有していると述べた。

さらにジョージア氏が、ルー氏が現在経営するピーター氏の法律事務所を自分に売却しようとしたとして、「金銭的な高齢者虐待」でルイ氏を提訴するなど泥沼の様相を呈していたのである。

ピーター氏は1993年に当時スポーツフランチャイズとしては最高額の1億7300万ドルでオリオールズを買収し、オーナーを務めてきた。しかし、推定純資産が20億ドルある一方で現在93歳となり、近年は公的な役割が減少。訴状によれば2017年に心臓疾患で手術を受けたという。

現地3日にジョン、ルー、ジョージア、ピーター、4氏連名で裁判所に提出された書類では「主張されているすべての反訴と抗弁を含むすべての請求は、その全体において予断をもって却下される」よう求めている。さらに「両当事者はまた、これらの訴訟で提出されたすべての係属中の動議を撤回し、終了させる」ともしている。

これによりこの問題は解決となり、関係者は二度と同じ訴訟を起こすことはできないということだ。

これで一安心といきたいところだが、オリオールズにはまだ大きな課題が残っている。本拠地カムデンヤードのリースだ。スタジアムはメリーランド州が所有しており、現在の賃貸契約が今年末で終了する。州は5年間のリース延長で交渉していたが、オリオールズはこれを拒否し、より長期に渡る契約を望むことを表明しているのだ。

先週、チームとウェス・ムーア州知事は「長期的かつ数十年にわたる官民パートナーシップを構築することを約束する」という声明を発表している。オリオールズは新リース契約締結により6 億ドルの公的資金を調達するとしているが、先行きは不明だ。