MLBはポストシーズンが始まり、既にツインズとレンジャーズが地区シリーズへの進出を決めるなど熱い戦いが続いている。その一方で、終了した2023年レギュラーシーズンは成功のうちに終えたといえそうだ。

観客数はMLB全体で2022年と比べ9.6%増の7075万人に達した。これは2017年以来最大で、同年以来初めて7000万人を超えた。コロナの影響を受けたシーズンを除けば、この数字はMLBが26チームから28チームに拡大した1993年以来、前年比増加率としては最大となっている。

リーグの最高収益責任者、ノア・ガーデン氏はこの観客数増加の主な要因として、ピッチクロック、より大型化したベース、極端な守備シフトの禁止という、3つのフィールドルールの導入を挙げている。これらは試合時間を短縮し、若いファンに適したアクションに満ちたメリハリのある試合を作ることを目的としたものだ。実際、平均試合時間は24分短縮されて2時間40分となり、1985年以来最も短くなった。

同時に同氏は各チームが毎シーズン少なくとも1シリーズは対戦する新しいバランスの取れたスケジュールの導入と、より多くのチームがシーズンを通して優勝争いに加わるポストシーズン方式の拡大も大きな要因になったと強調している。

また、ダイヤモンドバックス、オリオールズ、マーリンズ、ツインズ、レンジャーズが数年ぶりにポストシーズンに進出したことで、競争力のあるチームが増えたことも重要だろう。これらのチームはいずれも観客数が2桁増えている。

17チームで観客数が250万人以上となり、これはリーグ記録タイだった。また11回の週末で観客数150万人以上を記録。全体として30チーム中26チームで観客数が増加している。

最も増加人数が大きかったのは昨年ワールドシリーズに進出したフィリーズで、1試合あたり1万人近く増えた。増加率ではレッズが44%増の平均2万5164人で最大となっている。

最も観客数が多かったのはドジャースで384万人を動員し、10年連続でトップとなった。対して最も少なかったのは、来月ラスベガス移転の正式なリーグ投票を控えるアスレチックスでわずか83万2352人だった。

一方で、選手の総年俸額トップ3のメッツ、ヤンキース、パドレスがいずれもプレーオフ進出を逃し、ワースト4のうち2チーム、ワースト10のうち4チームが進出している点にも注目したい。