マーリンズのイチロー外野手(41)が、自身初体験の走塁ミスでアウトとなった。「7番左翼」で出場したフィリーズ戦の2回裏。左前打で出塁すると、二塁へ完璧なタイミングでスタートを切った。その直後、8番エチャバリアが、右翼前へ詰まった打球を運んだ。二塁を踏んだイチローは、一瞬、一塁方向へ戻る動きをした後、安打になったことを確認すると、再びスタートを切り、三塁へ到達した。「混乱しましたねえ。まさか打つとは思ってなかったですから。もうビックリした」。

 ところが、この微妙な動きが、一塁への「帰塁」の動作と見なされた。フ軍のアピールを受けた結果、イチローは二塁ベースを「踏み忘れた」ことになり、プレー再開後、ボールが二塁へ転送され、アウトとなった。「ルール上、何が起こったのか。ベースも踏んでるし、戻った感覚もそんなになくて…」。責任審判に説明を受け、ベンチへ戻っても首をかしげるばかりだった。

 このプレーで先制機を逃したかと思われたものの、後続打線がつながり、2番プラードが先制3ラン。イチローのミスが帳消しになった。しかも、マ軍は4連勝で、最大借金「8」を10戦9勝のハイペースで完済した。イチローとすれば、ミスを反省しても、引きずるつもりはない。「でも、初歩的なことといえば初歩的なことなんでね。松井(秀喜)特別アドバイザーとジーターの野球教室、お願いしまぁーす」。今年3月、東京で野球イベントを行った松井、ジーター両氏に「直接指導」を依頼する反省の弁? で、ちゃっかりとオチを付けていた。【四竈衛】