マエケンがまさかの2発に沈んだ。ドジャース前田健太投手(28)がメッツ戦に先発し、主軸打者に決定打を許さない一方で、先発ノア・シンダーガード投手(23)に先制ソロ、逆転3ランと2打席連続被弾。投手に本塁打を許したのは日米を通じて自身初。7戦目で過去最短となる5回0/3、6安打4失点と投手1人のバットに粉砕され、悔しい2敗目(3勝)を喫した。

 左中間席で弾む逆転弾を見届けた前田は、気持ちを整理するかのように、深くため息をついた。2-1と1点を勝ち越した直後の5回表無死一、二塁。バントを警戒する状況で、カウント2-2と追い込んだ直後だった。三振狙いで選択したのは、外角低めへのスライダー。だが、身長198センチ、23歳シンダーガードのパワーは前田の予想をはるかに超えていた。「どこに投げたかはあまり関係ないです。打たれたことに変わりはないですから。結果がすべて。悔いの残る登板になってしまいました」。表情は変えずとも、何度となく「悔しい」のフレーズを繰り返した。

 1本目までの傷は浅かった。3回表無死。先頭シンダーガードに、初球の甘い速球を右翼席へ運ばれた。初対戦のメ軍打線に、映像を交えたミーティングで対策は講じてきた。ただ、「対投手」に時間を割くはずもない。「(情報は)少なかったです。投手の打撃を頭に入れる人はなかなかいないと思いますけど…」。不用意だったとはいえ、先制ソロは序盤。だが、2本目の逆転3ランは、まさに「痛打」だった。

 デビュー4戦で3勝を挙げた一方、ここ3戦は0勝2敗。1つのミスが命取りになるメジャーの厳しさを味わってきた。「逆に切り替えるしかない。他の打者はしっかりと抑えられた。自分の中でいいふうに捉えるしかないと思います」。教訓を得るための失敗であれば、2被弾も黒星も、無駄にはならない。【四竈衛】

 ▼前田が渡米後初めて1試合2本の本塁打を浴びた。広島時代の被本塁打は通算97本あるが、投手に許したのは日米を通じて初めて。同じ打者に1試合2本浴びるのは10年5月9日のブラゼル(阪神)以来6年ぶり。3試合連続の被本塁打は、14年7月25日~8月15日の4試合連続以来。昨季は206回1/3で5本しかなく、両リーグ規定投球回到達投手ではジョンソン(広島)とともに最少タイだったが、早くも昨季の本数に並んだ。