イチロー外野手がプレーするマーリンズのエース右腕、ホセ・フェルナンデス投手(24)が25日、ボートで事故死し、同僚、球団関係者は大きな衝撃を受けた。

 本拠地マーリンズパークで記者会見に臨んだ球団幹部の背後には、ユニホーム姿の選手全員が立ち、哀悼の意を示した。イチローも沈痛な表情だった。

 フェルナンデス投手は15歳の時に命懸けでキューバから亡命した。陽気で強気のキャラクター。実力抜群の2013年の新人王はキューバ移民の多いマイアミを象徴する存在だった。デービッド・サムソン球団社長が「家族ともうすぐ生まれてくる娘のことを考えずにはいられない」と声を絞り出した。冷静なドン・マッティングリー監督や同投手獲得に編成担当者として関わったマイケル・ヒル編成本部長も何度も言葉に詰まった。

 悲報を聞いて駆け付けた地元ファンからの献花がスタンド周辺で見られ、試合が中止となった球場の中堅後方にある大型スクリーンにはフェルナンデス投手のフルネームと背番号16が映し出された。選手代表としてコメントしたマーティン・プラード内野手は「われわれはプロとして明日から戦わないといけないが、(心の)痛みはある。本当につらい」と目を伏せた。