ヤンキースとレッドソックスの伝統の一戦が、記録的延長戦となり、前代未聞の珍プレーも起こった。

 レッドソックスのエース左腕セールとヤンキースで今季好調のセベリーノが投げ合い、9回表にヤンキースの4番ホリデーが同点ソロ本塁打を放って延長戦に突入。レッドソックスは14回に登板可能な救援投手がいなくなり、先発フィスターが8番手として登板し、16回に先頭から4連打されるなどで3点を勝ち越された。

 延長16回で決着の付いた試合は5時間50分を費やし、1913年からのフェンウェイパーク史上で4番目の長さ。同球場でのヤンキースとレッドソックスの伝統の対決としては1966年6月4日以来の延長16回と、51年ぶりの長い試合となった。

 前代未聞の珍プレーがあったのは、1-1の延長11回表。ヤンキースの攻撃中、先頭の4番ホリデーが四球で出塁した後、5番エルズベリーが一塁へゴロを打ち、一塁手がまず遊撃手へ送球してフォースアウト。しかし、一塁走者ホリデーがなぜか慌てて一塁へ戻って足から滑り込んだため、一塁手はスライディングを避けて塁上から離れ返球を捕球できず、ボールは走ってきた打者走者エルズベリーの左足に当たり、右翼側へ大きく跳ね返った。

 最初はエルズベリーがセーフと判定されたが、レッドソックスのファレル監督がホリデーの守備妨害でアウトではないかと抗議し、いったん判定が翻ったが、ジラルディ監督も抗議し、結局エルズベリーはセーフとなった。その間、試合中断は約8分間、ビデオ判定は2度行われ、計4分59秒が費やされた。

 ヤンキースのジラルディ監督は「明日はダブルヘッダーだが、どちらのチームにとってもタフだ。だが今日は非常に大きな勝利だった」と話した。