後半戦初登板。いわゆる「休み肩」の状態だった。7月7日以来、中11日の間隔だった。球宴中は、後半戦の開幕地マイアミに家族と一緒に先乗りし、プチ旅行でリフレッシュした。ただ、登板日を伝えられていたとはいえ、調整は簡単ではなかった。数日間はボールを握らなかった一方、全体練習再開後は、意図的にトレーニングの強度を上げた。「時間があった分、しっかり調整できました」。練習メニューに強弱を付け、この日は初回からアクセルを踏んだ。6月中旬、救援へ配置転換された際に思い起こした「ストライク勝負」の攻撃的姿勢で、ピンチをしのいだ。

 試合は、8回表2死、ド軍の攻撃中に降雨中断となり、そのままコールド勝ちとなった。世界一に輝いた1955年、シーズン2度の2桁連勝を達成した際も、連勝記録は今季と同じ「10」と「11」。データ的にもプラス材料が並んでいる。

 地区首位を独走中のド軍首脳陣は、ポストシーズンを見据えた戦略にも目を向け始めた。離脱中の柳賢振が24日に復帰予定で、今後は暫定的に「先発6人ローテ」を検討中。ロバーツ監督は「全員をフレッシュな状態に維持しておきたい」と、余裕たっぷりに言う。裏を返せば、結果を出せなければ枠から外れることを意味する。本来の調子を取り戻してきた前田が依然、先発枠の当落線上にいるド軍に、現時点で死角は見当たらない。【四竈衛】