ドジャース前田健太投手(29)が、3回4安打4失点で降板した。雨中のジャイアンツ戦は、予定から42分遅れの午後7時57分に開始したものの、激しい雷雨となり、わずか2分後の1回表1死後に中断。その後、小雨になるたびにグラウンド整備員が準備に取りかかろうとしたが、気まぐれな雨は間断なく続き、結局、2時間52分後の午後10時51分に再開した。

 登板前だったとはいえ、すべての準備を終えていた前田には回避の選択肢も残されていた。だが、首脳陣と話し合った結果、マウンドへ向かった。「メジャーでしか、こういう経験はできない。せっかくだから投げたいと思いました」。再開を待つ間、体を動かしたり、軽食を取りながら準備を進めた。結局、前田が第1球を投げたのは、午後10時58分。野球人生で最も遅い時刻の先発だった。

 もっとも、結果は伴わなかった。初回に先制2ランを浴びると、2回裏にもソロを被弾。3回裏にも1点を追加され、その直後に代打を送られた。打線が同点に追い付き、前田の黒星が消えた一方、ド軍は競り負けてロサンゼルス移転後最長となる11連敗。2位ダイヤモンドバックスが敗れたため、地区優勝へのマジックは「10」とはいえ、停滞ムードから脱出できていない。試合終了時刻は、日付が替わった12日午前2時11分。「3イニングしか投げてないですけど、いつもの倍くらい疲れました」。敗れた事実が、前田だけでなく、ド軍全員の疲労感を募らせたに違いない。(サンフランシスコ=四竈衛)