イチローのマリナーズ復帰で、メジャー現役最年長野手の年齢に改めてスポットが当たることとなった。会見で「50歳まで現役」と聞かれたイチローは、「皆さん、よく『50歳まで』という話をされることが多いですけど、僕は最低50歳といつも言っているので、そこは誤解しないでほしいですね」と言った。

 40代に入ったころからイチローは、選手としての価値を年齢で判断する風潮への反発を口にしてきた。この日も、FA市場や契約で年齢がネックになることについて「どうやってそこ(の年齢)まで過ごしてきたか、ということによって、同じ年齢でも状態としては違うことは当然。そういう見方をすれば、それだけでくくるのはどうなのかな、という思いはあります」と持論を展開した。

 昨季までマーリンズでの3年間はほとんど代打出場に限られ、昨季はわずか215打席だった。マリナーズのサービス監督はイチローを多くの試合に起用する意向だと明言している。しかし、44歳にそれがこなせるのか、との声も当然のように挙がっている。

 7日付のニューヨーク・タイムズ電子版によると、44歳の時点でメジャーで現役を継続していたのはピート・ローズ(レッズ)、フリオ・フランコ(ブレーブス)ら過去8人。しかし、チームに大きく貢献した選手は多くはない。チームへの貢献度を示す分析データ指標「WAR」の数字で見ると、44歳以上での「プラス1」以上は、45歳だった04年に1・1をマークし、49歳までプレーしたフランコだけという。

 年齢に対する偏見をイチローは打ち破れるのか。サービス監督は「彼は我々の勝利に貢献してくれると思うし、そのために彼をここに呼び戻した」と話している。【水次祥子】