【アナハイム(カリフォルニア州)25日(日本時間26日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(24)が、「2番初アーチ」で打線に火を付けた。ホワイトソックス戦に「2番指名打者(DH)」で出場。1点を勝ち越し、なお5回無死二塁、右翼スタンドへ9号2ランを放った。得点力アップを狙い、2番に起用した首脳陣の期待に応え、14安打11得点の大勝に貢献。メジャー1年目での2ケタ本塁打へ王手をかけた。

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 長打あり、つなぎあり、攻撃的な「2番大谷」がはまった。1点勝ち越した直後の5回無死二塁、勢いをつけられるか、流れを左右する場面。「気持ち的には楽にいけた」と、1球で仕留めた。初球、内角直球をフルスイング。右翼スタンドへの完璧な9号2ランに「うまく反応できて、良いアプローチが出来た」と、納得の一打を振り返った。

 中軸につなげて得点力を上げる-。その役割をしっかり理解していた。「後ろにトラウト選手がいたので、なんとか良い場面にぶつけられるように。それが僕の仕事」。3回の第2打席では2死から四球を選び、3番トラウトが二塁打で続いた。得点はならなかったが、理想的な流れを作った。大谷、トラウト、プホルスの3者そろい踏みの本塁打は今季初。「慣れない打順だったけど、全体的にすごくつながった」と、2番大谷が打線に火を付けた。

 ポイントゲッターとしても効果的だった。大谷が描く2番のイメージは「走者一塁なら、ゲッツーがないように、なおかつ、長打で1点をとれるように、そういう打撃ができればいい」。ソーシア監督の右腕的存在のディノ・エベル三塁コーチによれば、「下位打線で走者がたまった時、打点を稼ぐ」のが2番の役割でもある。この日、9番打者の出塁から、大谷が得点圏で打席に入ったのは2度。1本塁打1三振の結果だったが「すごい効率良く得点できていた」と、新打線への手応えを口にした。

 メジャー1年目での2ケタ本塁打にも王手をかけた。「打てればもちろん良いですし、明日打てることが一番良い」と意欲も十分。リーチ1発に期待がかかる。それでも「10号打ったら、11号を打てるように、どんどん頑張っていく」と先を見据えた。