二刀流復活へ、エンゼルス大谷翔平投手(24)が大きく前進した。6月7日(日本時間8日)に右肘内側側副靱帯(じんたい)損傷が判明して以降、初めてブルペンで23球、投球練習を行った。後退することなく、ここまでは順調にステップアップ。早ければ8月中の復帰も見えてきた。またこの日は、料理の鉄人、森本正治氏(63)の特製すしランチをたいらげ、英気を養った。

 マウンドから投げられる満足感は、やはり違った。「投手大谷」がブルペンで23球、腕を振った。右肘内側側副靱帯を損傷して以降、約2カ月ぶり。アスレチックス戦の試合前に行ったブルペン投球について「そこをしっかりクリアできれば、次の段階に進める。まずは良い形で、今日1日終われたかなと思う」と、表情を緩めた。

 ブルペンで投げ、試合では3番指名打者(DH)で出場した。慌ただしい1日も、「鉄人特製ランチ」で英気を養った。この日、始球式を行った料理の鉄人、森本正治氏が、エンゼルスのクラブハウスで「特製すしランチ」を提供。チームメートとともに、大谷も笑顔を見せながら注文し、大トロ、中トロ、サーモン、金目ダイを各4貫ずつ、さらにイクラ、ウニ、炙(あぶ)ったアカムツの小どんぶりを3杯たいらげた。「食欲もいっぱい。たくさん食べてくれて、うれしかった」と、森本氏も満足するほどの食べっぷりだったという。

 特製ランチを食べて臨んだ試合では4打数1安打。ブルペン投球から打者出場と、ケガをする前まで行ってきた二刀流ルーティンも戻ってきた。今後は、座った捕手相手の軽めのブルペン→100%に近い力でのブルペン→実戦を想定した投球練習を経て、復帰と段階を踏んでいく見込み。当初は9月と予想されていたが、全て順調にいけば8月中の復帰も見えてきた。

 当面は並行して打者でも試合に出場する予定。「明日(状態が)前進しているか、または後退しているか、そこによっても多少変わってくる。1日1日の(体の)反応を見ながらになっていくと思います」と慎重な姿勢を見せた。それでも、初ブルペンに、鉄人特製ランチに、満足感たっぷりの1日になった。【斎藤庸裕】