大谷の二刀流復帰を、エンゼルスの本拠地アナハイム市も待っていた。同市のマイク・ライスター広報部長は、8月上旬「我々もそうだけど、ファン、皆がすごく楽しみにしている」とうれしそうに話していた。

8月終了時点で本拠地のチケットは12回、完売。年間で7回の昨年を大きく上回る。日本人観光客も増加し「多くの日本人ファンがスタジアムに訪れている。大谷が来てくれたことで、地元だけでなくて米国全体、また日本、国際的にも、アナハイムに注目が集まっている」と目を細める。

ホテルの宿泊費に含まれる15%の税金は、市としても大きな収益だ。「安全面では米国でもランクは上だが当然、問題もある。観光客から得る収益は公共の安全につながる。警察にも好影響で、多くの警官を雇用できる」。大谷効果が経済、道路整備、治安などで市の改善につながっている。

復帰登板は全米に放送もされた。「全国放送も市にとっては大谷に興味を持つという点で大きな効果」と、将来の観光客増加も見込む。経済効果は「松井秀喜が(エンゼルスに)来た時より数倍以上になる」という。二刀流復帰は野球界だけでなく地元にもうれしいニュースになった。