エンゼルス大谷翔平投手(24)が、4番DHでフル出場したホワイトソックス戦で3試合連続の3打点を挙げた。9回に走者一掃の三塁打。今季の満塁では4打数3安打で10打点と勝負強さを発揮している。1回には二盗を決め、日本ハム時代を含めて自身最多のシーズン8盗塁。メジャーでは1888年のジミー・ライアン以来の1シーズン3試合登板、15本塁打、8盗塁となった。

試合前のクラブハウスで大谷はテレビの映像を食い入るように見ていた。食事を取りながら水原通訳らとテニスの全米オープン女子決勝を観戦。「おぉー」「すごい」などと楽しそうに歓声を上げながら、大坂なおみを応援した。第2セットが始まったころには練習のためにグラウンドに出た。日本人初の快挙の瞬間は見届けられなかったが、練習後に吉報が届いた。「すごく感動しました。長い歴史の中で出来なかったことを達成したことで、本当に素晴らしいなと。すごく刺激をもらった」。うれしそうに笑みを浮かべた。

その「刺激」を胸に走攻で躍動した。右前打で出塁した1回には悠々と今季8個目の盗塁を決めて、メジャーでは1888年のジミー・ライアン以来となる1シーズンでの「3試合登板、本塁打15本、8盗塁」に到達した。6-3の9回には無死満塁から左腕の内角球を引っ張って右翼線に運ぶ今季2度目の三塁打。走者を一掃し「走者がたまっているところで打てたので良い仕事ができた」と納得の表情を見せた。

三塁打を放った直後の走塁では右脚を痛めた。1死三塁から暴投でホームに突入した際のクロスプレーで投手と交錯し、右太ももの内側を強打。顔をゆがめ、立ち上がった後は痛がりながら引きずるようにして歩いたが「打撲みたいな感じ。今の時点では全然大丈夫です」と軽症を強調した。

メジャー自身初の4戦連発とはならなかったが、4打数2安打3打点、2得点で1四球1盗塁。右肘の靱帯(じんたい)に新たな損傷が見つかり、医師から手術を勧められている中で大勝に貢献した。「明日も良い調整をして出られるように頑張りたい」。いつも通り、9日(日本時間10日未明)の次戦に目を向けた。【斎藤庸裕】

▼大谷が9回に満塁で走者一掃の三塁打。今季の満塁チャンスは通算6打席で4打数3安打(三塁打2)、2四球、10打点となった。これで3試合連続3打点。日本人選手が1試合3打点以上を3試合続けたのは初めて。