ア・リーグの地区シリーズ(5試合制)が5日(日本時間6日)開幕し、ヤンキース(ワイルドカード)がレッドソックス(東地区1位)相手に反撃及ばず、1点差で初戦を落とした。先発ハップが3回途中まで5失点KO。6日(同7日午前9時15分開始予定)の第2戦に先発する田中将大投手(29)に、連敗阻止の命運を託すことになった。

敵地でのブーイングも、重圧のかかる舞台も、田中にとっては望むところだった。ポストシーズン(PS)での両軍対決は04年以来14年ぶり。「プレーヤーとしては光栄なこと。勝つことができれば、よりいいものにできるんじゃないかと思っています」。試合前の公式会見では、静かな口調にも自信をのぞかせた。

雪辱を期すマウンドでもある。今季はレッドソックス戦4試合に先発し、1勝0敗ながら防御率7・58。今回の対戦が決まった時点で「やり返したい」と明言した。「今までの対戦成績は関係ない。明日は明日」と苦手意識など持っていない。実際、昨季のPSでは3試合に先発し防御率0・90と抜群の勝負強さを発揮した。「手応えを感じてますし、皆さんにいいものを見せられるように投げたい」。

PS初采配のブーン監督の期待も高い。「田中がマウンドにいて最高の状態であれば、どんな相手でも抑えられる」。負ければ王手をかけられる一戦。「すべて持っているものを出したい」。敵地を沈黙させることこそ、田中の快感に違いない。(ボストン=四竈衛)