【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦で前田健太投手(30)が所属するドジャースがブルワーズに連勝し、3勝2敗とし2年連続のワールドシリーズ進出に王手をかけた。本拠地最終戦で必勝を期したド軍ロバーツ監督と、本拠地2戦に余力を残したブ軍カウンセル監督の采配は好対照だった。前田は登板しなかった。第6戦は19日(同20日)にブ軍の本拠地ミルウォーキーで行われる。

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ド軍は7回1失点の先発カーショーと打線がかみ合って快勝し、ワールドシリーズ進出に王手をかけた。ブ軍は投打ともに沈んで追い込まれた。ただ、第5戦の勝敗は両監督にとってある程度は“想定通り”と言えるかもしれない。その采配は対照的にも見えた。

ブ軍カウンセル監督は、先発の左腕マイリーをプレーオフ史上2人目となる打者1人で交代させる奇策に出た。5球で四球とした直後、右のウッドラフにスイッチした。8人の打者のうち右6人を並べたド軍に「相性を考えてのことだ」と説明。「彼は第6戦に先発する」と、移動日を挟んで第6戦ではマイリーを再び先発させると予告した。

2番手の右腕ウッドラフは5回1/3、3失点と粘り強く投げた。カウンセル監督は「(救援投手を)何人か休ませることができた」と言い、メジャー30球団中5番目の防御率を誇る救援の剛腕左腕ヘイダーらが中2日の登板になるのはプラスと強調。第4戦で先発したゴンザレスは足首の故障で離脱することになったが、「我々は非常に良い状況にある。ホームで第6戦を戦えるのは素晴らしい機会だ」と自信をのぞかせた。

対するド軍ロバーツ監督は、当然のことながら本拠地で勝ちにいった。前夜、5時間15分の総力戦を制した流れを重視。第3戦まで21打数1安打ながら、延長13回にサヨナラ打を放ったベリンジャーを今季初めて1番で先発起用した。7回にはダメ押しの2点につながる二塁打を放つなど勢いに乗った。3点差の9回には、前日に2回を投げていた守護神ジャンセンを投入した。何としても勝つという姿勢を鮮明にした。

残りはブ軍の本拠地ミルウォーキーでの2試合。資金力では大きな差のある両軍の対決には、短期決戦ならでは駆け引きが詰まっている。【斎藤庸裕】