マエケン、今年も世界一に届かず-。前田健太投手(30)が所属するドジャースが、ワールドシリーズ(WS)第5戦でレッドソックスに完敗し、対戦成績1勝4敗で屈した。レッドソックスは13年以来、5年ぶり9度目の世界一に輝いた。

終戦の瞬間をブルペンで迎えた前田はグラウンドを通らず、観客席の下の通路からクラブハウスへ向かった。昨年に続くWS敗退。「最後の1チームしか勝つことができない。2年続けてこの悔しい思いというのを味わってしまった。この悔しさを忘れずに過ごしていけたらいいと思います」。

今季は生来の器用さを買われ、8月中旬から救援に配置転換された。ポストシーズンでは勝ちパターンのセットアッパー。「いろいろ新しいことに取り組んだ1年。勝ち星、数字だけ見ると落ちているように感じるかもしれないですけど、手応えのある試合も多かったシーズンでした」。

メジャー4年目となる来季は、先発ローテーションの一角として再スタートを切る。「厳しい世界にいるからこそ、発見がある。悔しい思いをしたからこそ、成長できている。自分に期待の持てるような状態でキャンプを迎えたいです」。敗戦の悔しさと向き合う前田が、最後までうつむくことはなかった。【四竈衛、斎藤庸裕】