レジェンドに激辛“ノルマ”が課された!? 昨季途中からマリナーズの会長付特別補佐を務めたイチロー外野手(45)について、ジェリー・ディポトGM(50)が「日本での開幕2連戦で7安打すれば、3試合目の機会があるだろう」と発言。マリナーズ公式ホームページが4日(日本時間5日)、伝えた。「2試合7安打」は同GM特有の比喩とはいえ、イチローが万全の状態であれば、現役続行の可能性は大。春季キャンプでの仕上がりが、今後を左右することになりそうだ。

菊池雄星の入団が決まった一方で、マリナーズにとってイチローは今もなお「別格」の存在だった。昨年5月、メジャーのロースターから外れ、会長付特別補佐となったとはいえ、その後も連日ユニホーム姿で、同僚と一緒に練習を続けてきたレジェンド。2019年も貴重な戦力の一角だからこそ、マリナーズ首脳は現役続行の道を準備していた。

ディポトGMは、これまでも幾度となく、イチローが日本での今季開幕2連戦(3月20、21日、アスレチックス戦=東京ドーム)でベンチ入りすることを明言してきた。MLBの海外試合では、ベンチ入り枠が、通常の25人から28人に拡大される。今回は、1歩踏み込んで発言した。「彼は(東京で)登録選手になるだろう」とした上で、笑顔交じりに続けた。「彼が東京でプレーし、2試合で7安打を放てば、3試合目でプレーするチャンスはかなりあるだろう」。

米国開幕となる3試合目は、25人枠へ減少する。それでもイチローの現役への志に対し、扉を閉ざすつもりはない。「2試合7安打」はノルマではなく、たとえ話。しかし達成すれば、周囲は何も文句を言えない数字でもある。そんな誰もが納得する数字を残してほしい、という願いの表れと言える。

マリナーズ関係者の話を総合すると球団経営陣、首脳陣とも現役続行を熱望しているという。昨季は3月初旬まで契約が遅れたほか、キャンプ中の故障などで調整不足のまま、開幕を迎えた。ただ、今季は違う。春季キャンプ、オープン戦中に仕上げることを前提に、イチローに対し、第4、5の外野手として期待を寄せている。

現時点で、FA(フリーエージェント)となっているイチローとマリナーズとの契約は締結されていない。同GM、代理人ボッグス氏らによると、契約内容の詳細を煮詰めている段階。日本での開幕戦後の現役続行を含め、特殊な契約形態を煮詰めているものとみられ、月内にも正式発表される見込みだ。メジャー19年目、日米通算28年目。イチローなら、日本のファンの前で2試合7安打をやってのけてくれるかもしれない-。米殿堂入りが確実視されるイチローの存在感は、今もなお変わっていない。