右肘の故障から完全復活を目指すカブスのダルビッシュ有投手(32)が10日(日本時間11日)、キャンプ施設でブルペン投球を行った。最新機器で1球ごとに球速や回転数を計測しながら約40球。直球のほか、カーブ、スライダー、チェンジアップなど、ほぼ全球種を織り交ぜて投げ込んだ。

自主トレ中に複数回、ブルペン入りし、同地入り後は2回目の投球。快晴ながら最低気温3度と冷え込んだものの、半袖、短パン姿のこの日は、最速93マイル(約150キロ)をマークした。「こういうもの(数字)を見ると自信になる。(この時期に)ブルペンで普通、93はなかなか出ないですから」。カブスへ移籍した昨季は、5月下旬に右上腕三頭筋の腱炎(けんえん)を訴えて戦列を離脱。マイナーで実戦復帰を果たしたが、一進一退を繰り返し、8月下旬に「ストレス反応による痛み」と診断され、シーズン登板数は8試合に終わった。

13日(同14日)のキャンプイン後は、リハビリ組ではなく、他の投手陣と同じメニューをこなす予定だ。2016年以来の世界一を目指すカブスにとって、ダルビッシュの復活は不可欠。「体が元気なのが一番。不安な部分もゼロではないですけど、今年は楽しみな部分もあります」。ほかでもない、ダルビッシュ自身が、自分に期待しているようだった。(メサ=四竈衛)