ヤンキース田中将大投手(30)はオープン戦初登板のタイガース戦で、3回を1安打無失点。ナックルカーブで翻弄(ほんろう)した。

田中は、オフから重点的に取り組んだナックルカーブを含め、カーブを有効に使えたのが収穫だった。オープン戦初登板となるタイガース戦で、1回先頭には中堅手の拙守がらみで無死三塁となったが、次打者から9者連続凡退で3回を無失点、2三振。「いきなり三塁打をくらったけど、いい集中力でゼロに抑えられた」と納得の投球だった。

手応えを得たナックルカーブは、球速が70マイル台後半(124キロ前後)のこれまでの球とは握りが異なり、球速も80マイル台(129キロ以上)と速い。バリエーションのあるカーブを打者10人中7人の初球に使い「カウントを取れた。3イニングを通して、しっかりとストライクが取れた」とうなずいた。

カーブと同様にテーマとするカットボールも投げながら精度を上げ「いろいろと試しながら結果も一応出たということは、もちろん良かった」。初体験の20秒投球制限「ピッチクロック」については「本当に大事な試合、公式戦ではやりたくない」としながらも、問題なく適応。今季最初の試合を終え「いよいよ始まるという感じ」と気持ちの高ぶりを口にした。

◆ナックルカーブ 握りは投手により多少の差はあるものの、ナックルのように人さし指、中指などを曲げて投げるカーブ。1912年にタイガースのエド・サマーズが投げたのが最初とされ、元ヤンキースエースのマイク・ムシーナの武器として知られた。現在は田中の同僚先発左腕パクストン、救援右腕ベタンセスらも投げる。