張本勲氏が24日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」に出演。現役引退を発表したマリナーズ・イチローについてコメントした。

「もう言い尽くしているからねえ。ないですよ。とにかくご苦労さん、ありがとう。日本プロ野球の出身が一時はアメリカ野球界を引きずりましたからね。そういうことを言っても過言じゃないからね」と話した。

イチローの終身打率が3割2分2厘だったことについては「これは大変ですよ。ワンちゃん(王貞治氏)でさえ3割(3割1厘、張本氏は3割1分9厘)だから。3割2分2厘といったら驚異的な数字ですよ。人生ライフですからね。一時的な数字じゃないから」とコメント。

そしてオリックス時代に仰木彬監督にイチローの起用を進言したエピソードを明かした。

「仰木さんに私が進言したんですよ。(イチローが)2軍から上がってきてるから、いいバッターいるから見てくれと。『何で(こんないい打者が)2軍におるんですか』と言ったら『足を上げるから』と。上げようが上げまいが(1軍で使うべきと)進言したんですよ。すごいと思いましたね。バットの先がどのコースにも最短距離で出るのはこの人しかいない。1世紀出ない、こんなバッター」と話した。

伝説となっているWBC決勝・韓国戦の決勝タイムリーにも話が及んだ。

「このシリーズは打てなくてね。いかに繊細か神経質か。血を吐いたんですから。そこまで打てなくて胃潰瘍みたいになって。責任を感じて。最後の一打ですからね。これはうれしかったね」

張本氏の日本記録である通算3085安打を日米通算で抜かれたことについても話した。

「抜くのは当然だと思いましたから。ところが日本の記録は私が1番。日米で抜かれただけだから。それは言っておかないとね」と笑いを取った。

最後に「もう至れり尽くせり。もう褒めることばっかり。何か欠点を言えといったらホームランが少ないというだけ。それも持ち味だから。どこを探しても欠点はない。走攻守」と話し「あっぱれ!」を出して締めくくった。