菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で、3月に引退した前マリナーズ・イチロー氏(45=本名鈴木一朗)が国民栄誉賞の受賞を辞退すると、代理人を通じて連絡があったことを発表した。打診に対して「人生の幕を下ろした時に頂けるよう励みます」と返答があり、授与の検討を見送る。

「本人のお気持ちを尊重し、今般の現役引退に伴う検討を見送ることにした。イチロー選手は多くの方に夢や希望を与え続けてきたスーパースターであり、国民の皆さんとともに今後の活躍を楽しみにしたい」と話した。

イチロー氏は大リーグに移籍し首位打者、盗塁王、MVPを獲得した01年、最多記録を更新し、262安打を放った04年と、2度受賞を打診されたが「プレーを続けている間はもらう立場ではないと思う」と辞退していた。今回で3度目の辞退となる。

イチロー氏は現役時代に日本のオリックス、米大リーグではマリナーズ、ヤンキース、マーリンズに所属し、日米通算4367安打を放つなど、数々の金字塔を打ち立てた。今年3月20、21日に東京ドームで行われた開幕カードのアスレチックス2連戦を最後に、現役引退を表明していた。

プロ野球選手経験者ではこれまでに、本塁打の世界記録を更新した王貞治氏、連続試合出場の世界記録を樹立した衣笠祥雄氏、「ミスタープロ野球」の長嶋茂雄氏、日米通算507本塁打を放った松井秀喜氏の4人が国民栄誉賞を受賞している。