エンゼルス大谷翔平投手(24)が5月上旬、早ければ7日(日本時間8日)のタイガース戦(デトロイト)から打者で復帰を見込まれていることが10日(同11日)、分かった。

既に屋外でのフリー打撃開始から2週間が経過。近日中にも右肘の定期検診を行い、問題がなければ実戦形式の打撃練習へ段階を上げる予定。投手としての調整もある影響で、実戦練習にも2~3週間程度、時間を要するとみられるが、復帰へ向けて準備が整ってきた。

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大谷の打者復帰がカウントダウンに入った。昨年10月に右肘内側側副靱帯(じんたい)の再建手術(トミー・ジョン手術)を受けてから半年。地道なリハビリ過程に、節目が見えてきた。かねて5月中の復帰を見込まれていたが、エ軍は5月4、5日にメキシコに遠征予定。複数の関係者の話を総合すると5月上旬、早ければ帰国後の7日、敵地でのタイガース戦から戦列復帰となりそうだ。

本拠地エンゼルスタジアムでフリー打撃を開始してから2週間。大谷は4月4日に「柵越えも問題なく打てている」と話しており、状態は確実に上がっている。オースマス監督はこの日、右肘のメディカルチェック日程について「数日のうちに」と明言。近日中にも医師の検診を受け、問題がなければ実戦形式の練習に段階を上げる。チームは17日まで遠征で不在となるが、実戦練習開始となれば、マイナー選手を相手に本拠地で打席を重ねていく見込みだ。

通常、打者は開幕前のオープン戦で50打席前後を要する。大谷に関してオースマス監督は「50打席以下でも大丈夫だろう」と話し、少ない打席での復帰はあり得る。ただ「(復帰)スケジュールに関しては変わらない」と慎重な姿勢は崩さない。順調な調整ぶりから、復帰が早まるのではと問われても、同監督は「リスクをかけたくない」と繰り返す。来季以降の二刀流復帰を見据え、右肘に影響を与えないよう細心の注意を払っている。

大谷は現在、週3日、キャッチボールで投手としても調整を行う。近日中に打者で実戦練習が始まっても、投手のリハビリと並行して行うため、ある程度時間を要する。幸い、チームは6連勝中で波に乗り始め、投打ともに好調。焦らずに調整できる状態だ。それでも、14年以来5年ぶりのプレーオフ進出へ大谷の打撃力は欠かせない。復帰まで残り1カ月足らず。視界がはっきりと開けた。