カブスのダルビッシュ有投手(32)が復活の勝利を挙げた。マーリンズ戦で5回2/3を4安打2失点。毎年4月15日の「ジャッキー・ロビンソンデー」では初めての登板で、背番号42の重みを感じながら投げた。

「勝つとみんなが喜ぶ。そういうのを見ると、勝ててよかった」。昨年5月20日以来、330日ぶりの復活勝利。「330回、寝たってことですよね。相当、寝ましたね」。それだけ長い道のりだった。

こだわりのスタイルを捨てた。「もういっかと思って」。3回、43球目にツーシームを使った。「フォーシームが(ストライク)入らないから、もうなんか、『ツーシーム投げたれ!』と思って」。開き直りが勝ち星への突破口になった。昨年まで持ち球ではあったが、今季ブルペンで1度も投げなかった球種。本来は直球、スライダー、カーブ、カットボールが軸で「そういうピッチングで今年いきたいと思ったけど、シーズン入ってみたら、結果を出さないといけない」と割り切った。

ツーシームで最速は98・7マイル(約158・8キロ)を記録。トミー・ジョン手術を経験しても「まだ自分にも力が残っているんだなと分かった。すごく自信になりました」と胸を張った。【斎藤庸裕】