【ニューヨーク(米ニューヨーク州)20日(日本時間21日)=佐井陽介】ヤンキース田中将大投手(30)が本拠地ロイヤルズ戦に先発し、7回4安打7奪三振1失点で今季2勝目を手にした。

修正中のスプリットが「相変わらずクソ」という状態。「初回の時点で細かいところをきちっとは無理やなという感じがあった。大ざっぱに、早いカウントは極端な話、2分割という意識をいつもより持って投げました」。試合を壊さないため冷静にハードルを下げた判断が、4戦ぶりの白星を呼び込んだ。

強めの“逆風”にも耐えた。2点リードの3回裏、4番トーレスの3ランがビデオ判定でまさかの取り消しを食らい、左飛に覆った。猛抗議したブーン監督が退場処分となり、この回無得点。それでも「どっちなんだろうと思っていただけ。アウトになるんだ、あの判定って」と心の浮き沈みは最小限にとどめた。

直後の4回表無死一塁では5番オハーンからハーフスイングで空振り三振を奪ったはずが、何故かファウル判定に。「何なんやろなとは思いましたけどね」。結局オハーンを併殺打に仕留め「(3回裏から)嫌な感じではあった。ここをもう1回ちゃんと締めようという気持ちはありました」と力強く振り返った。

前回ホワイトソックス戦は5回途中を5失点。スプリットが本来の状態から遠い中、外角一辺倒の配球となり、低めの変化球を見切られて苦しくなった。今回は3回無死三塁の場面で内角、高めを有効に使い分け、2者連続三振からの3人斬りで難局を乗り切った。

「前回の失敗を生かして。攻めるところは思い切って攻めていかないといけないので」。反省を生かし、3四球を与えながらも93球でまとめる安定感。時には大人の投球に徹することができるから、名門ヤンキースの大黒柱でいられる。