【アナハイム(米カリフォルニア州)1日(日本時間2日)=斎藤庸裕】上位浮上の起爆剤となる。エンゼルス大谷翔平投手(24)が、いよいよ近づいてきたメジャー2年目へ強い意欲を示した。早ければ7日(同8日)、敵地デトロイトで行われるタイガース戦での打者復帰へ、仕上がりは順調。この日も実戦形式の打撃練習(ライブBP)で7打席に立ち、ここまで合計32打席。目安となる40打席も目前で、復帰へカウントダウンが始まった。

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復帰を目前に大谷の言葉に力がこもった。打者専念となるメジャー2年目がいよいよ開幕する。「勝ちたいですし、優勝したいですし、それは去年、全然できなかったので、その1点かなと思います」。チームは現在、ア・リーグ西地区4位。首位アストロズとは4ゲーム差だが、シーズンは始まったばかり。勝利を最優先とし、大谷は「そこに貢献していければ、おのずと(自分の)結果はついてくる」と意欲を見せた。

4月24日にライブBPを開始してから、順調に打席を重ねてきた。今一番意識していることは「打てそうな雰囲気を持って、打席に立てるか」。構え、立ち居振る舞いが醸し出す打者の威圧感や自信が投手にプレッシャーを与えることもある。「(打席での)立ち方とか、投手の見え方とか、立っている時点でほとんど勝負は決まっているものだと思っている」。プレートとホーム間の距離18・44メートルでせめぎ合う空気感が、勝敗を左右するという。

実際に対戦した投手たちは、打者大谷の雰囲気に圧倒された。昨季12勝を挙げたツインズの右腕ベリオスは3打数1安打に抑えたが、二塁打を浴び「大谷は1年目なのに、長い間メジャーでプレーしているベテラン選手のように見えた」と話した。重要視する立ち会いでの雰囲気づくり。この日までにライブBPで32打席に立ち、「数を重ねるごとに良くなっている」と、徐々に手応えを得ている。

早ければ7日のタイガース戦にも復帰する。開幕から1カ月以上がたち「チームの力になっていないというところでは、気持ち的には多少焦りみたいなものはある」と正直な気持ちを吐露した。とはいえ「復帰してからシーズンをしっかり乗り切るのも大事」。チーム5年ぶりのプレーオフ進出へ向け、万全の状態でいく。