カブスのダルビッシュ有投手(32)が先発したロッキーズ戦で勝敗が付かず、本拠地初勝利はまたしてもお預けとなった。6回途中、3-1とリードした状況で降板後、自らが残した2走者が生還して同点。白星には届かなかった。

4回2死まで無安打。数字上は3失点(自責2)でも、内容的には「とても良かった」(マドン監督)。カットボール、スライダーに加え、少し浮き上がる「フォーシームのカット気味」(ダルビッシュ)と表現した新球を試投。毎回先頭打者をアウトに仕留め、安定感のある投球でペースを整えた。「かなり良かったです。余裕も生まれてきたのかと思います」。

確かに、不運な数字は並んだ。カ軍入りした昨季以降、地元では通算10試合で未勝利(レンジャーズ時代を含め11試合、0勝5敗)。しかも、1908年以降、球団史上3人目となる7試合連続勝敗なしの珍記録にも並んだ。ただ、「記録を目指したいですね」と冗談を飛ばす一方で、手応えもある。「前進できているというか、どんどん良くなっていると思います」。試合中、球場を包んだ濃霧と同様、ダルビッシュのモヤモヤが晴れる日も近い。(シカゴ=四竈衛)