メジャーで花巻東高の同窓対決が実現する。

マリナーズは4勝目を目指す菊池雄星投手が先発。エンゼルス大谷翔平投手は3番DHでスタメン出場となり、NPB時代の2017年開幕戦以来、2年ぶりの対決となる。

大谷が日本ハムに入団した直後の2013年1月4日付の日刊スポーツ紙面で、菊池が後輩大谷について語っています。復刻版として振り返ります。

西武菊池雄星投手(21)が、二刀流に挑戦する花巻東の後輩、日本ハム大谷翔平投手(18)に対し投手対決を望んだ。3日、岩手・雫石町内の雫石プリンスホテルでトークショーを開催。地元のファンを前に「ピッチャーで投げ合いたい」と闘志を込めた。昨年12月にはファンから大谷と間違われてショックを受けたというが、直接対決で「怪物」の称号を復権する。(年齢、所属球団は当時のまま)

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この日もトークの話題に出たのは、日本ハム大谷だった。地元岩手でのトークショー。菊池に、大谷に対する質問が飛んだ。「投手、打者のどちらで対戦したいですか」。「それ、来ましたね」とニヤリとしながら、菊池は胸に秘めていた思いを言葉に出した。

菊池 ピッチャーで投げ合いたいです。我慢比べになると思うので。楽しみたいですね。

後輩の高いポテンシャルは、誰よりも理解し「怪物」とまで評す。「もし、対戦するとなれば、1週間前から注目されるじゃないですか。緊張して、寝られなくなるかもしれません」と冗談交じりに言っても、核心は隠さなかった。

 大谷を強く意識させられる“事件”も起きた。昨年12月上旬、イベント先の大阪から自主トレ場所の沖縄に移動する空港での出来事。近づいてきた人から「野球選手ですよね?」と質問された。「そうです」と答えた菊池に、返ってきたのは驚くべき言葉だった。「大谷さんですよね?」。

菊池 えっ! となって、少しムッとしちゃいまして…。すみません。

 

照れながら、頭をかいたが、本心は笑えなかった。このオフは大谷の話題を何度も聞かれ、司会者に愚痴? も吐露。「(大谷が)160キロ出してから、毎日のように聞かれて。地元のテレビの方も(西武キャンプ地の)宮崎じゃなく、(日本ハムキャンプ地の)沖縄に行くと聞くと…」。ファンからは激励の拍手が送られたが、表情は少しばかり寂しげだった。

今季の目標は2ケタ勝利に設定。具体的な数字をプロ入り後初めて明らかにしたのは、並々ならぬ覚悟からだった。トークショーが開催された場所は4年前、自身の入団会見が行われた雫石プリンスホテル。周囲は雪で覆われ、気温も0度を下回ったが、トークショーの会場だけは、菊池の燃えたぎる闘志で熱気に包まれた。【久保賢吾】