13年7月16日、4年目の西武菊池とルーキーの日本ハム大谷は対談した。

場所は函館市内のホテル。後輩の大谷が予定時間よりやや早く入り、到着を待った。緊張気味で「(時間が)余っちゃうかもしれません」と汗をぬぐう姿が印象的だった。治療を終えた菊池がペコペコしながら「遅れてすみません」と駆け込んできた。おちゃめな登場に大谷の表情が一瞬で笑顔に。憧れを隠さずに語った。

大谷 高校時代は周りからずっと「雄星はこうだったんだぞ」と言われてきたんです。すごく高い存在でしたし、そうなりたいなとずっと思っていました。

菊池 授業中は寝てたよ、とかじゃない? それにしても、天は二物を与えたと思うよ。バッティングもいい、足も速い、球が速い、変化球もキレる、顔もいい。あれ? オレは…。ほんと、不公平だよなぁ。

菊池がリードし、冗談も交えながら、予定を超えて1時間会話した。対戦について、「僕は何度でもやりたいです」と目を輝かせた大谷に対し、菊池は「したくないよ」と苦笑しながら「お互いストレートと分かりながらの勝負。自分も楽しいし、いつか…ね」と夢を語った。メジャーを舞台にした岩手の怪物対決は、始まったばかりだ。【12、13年西武担当=久保賢吾】