マリナーズ菊池雄星投手(27)が敵地でのツインズ戦に先発し、5回6安打1失点と好投した。

過去3戦は4回途中KOと苦しんだが、最速95マイル(約152・9キロ)の速球を主体に140キロ超えのスライダーをまじえ、力強い投球を披露した。

不運な安打などで招いた2回無死満塁のピンチでは、一気にギアを上げた。狙い通り、2者連続空振り三振と遊ゴロ。「前に飛ばさないのが理想。やりたいことができた」。3回にソロを浴びたものの、ストライク先行の攻撃的な投球で追加点は許さなかった。

ごまかしが利かない、メジャーの壁を再認識した期間だった。8日のエンゼルス戦では、後輩大谷を含む3者連続の被弾。野球人生で初めての屈辱を味わった。「正直、ここ2~3週間はしんどかったですね。必要な時間だと思って前向きに頑張ろうと思ってやってきました」。西武時代の練習ノートを再読。地味ながらも、かつて毎日繰り返していた股関節の基礎トレーニングに回帰した。右足の上げ方を開幕当時の2段モーションに戻したのも、体重移動のタイミング修正を図るためだった。

「ホッとしました」。ひとまず、悪い流れは断ち切った。「やっと戦えるボールに戻ってきた手応えを感じています。しっかりと再現性を高めていけば、次につながると思います」。勝敗は付かなかったものの、壁を越えた菊池の口調は投球同様、力強かった。(ミネアポリス=四竈衛)