エンゼルス大谷翔平投手(24)が、珍しい犠飛でチームの2連勝に貢献した。「3番DH」で出場したレッズ戦の7回、1死二塁から左飛を放った。左翼手ペラザにフェンス際で捕球されたものの、エンゼルスの二塁走者トバールが二塁からタッチアップで一気に生還。終盤で貴重な追加点となった。

3つの要素が重なった。

<1>大谷の打球が伸びた 左翼へ打ち上がったフライにペラザは後退し、横向きになりながら捕球。エンゼルス・ギャエゴ三塁コーチが「打球にバックスピンがかかっていて、伸びた。進塁するにはいい打球だった」と話せば、二塁走者のトバールも「捕球したのを見ていこうと思った」と、ちゅうちょなくスタートが切れた。

<2>本職ではなかった外野手 ペラザは主に二塁手と遊撃手で出場しており、外野手はいわば第3のポジション。「彼がどれだけ投げられるか、知れたものだった」と同三塁コーチ。

<3>アウトカウントの勘違い ペラザは捕球後、3アウトと思っていたような動作で、すぐに内野手に返球しなかった。それを見たトバールは、スピードを上げ、三塁コーチを確認しホームへ生還した。

大谷の特徴でもある逆方向へ伸びる打球と、エンゼルスの冷静な判断が重なり、超レアな犠飛につながった。(アナハイム=斎藤庸裕)