エンゼルス大谷翔平投手(25)が10日(日本時間11日)、レッドソックス戦に3番DHで出場し、5打数2安打2打点と今季25回目のマルチ安打でチームの連敗脱出に貢献した。

勝利に直結する安打こそ、求めていたものだった。1回は16年サイ・ヤング賞右腕ポーセロのカーブを左中間深部へ。二塁打でチャンスを広げ、先制点につなげた。7回無死満塁では、右腕バラスケスの外角スプリットを中前へ運び、2点を追加した。満塁では今季13打席目で初安打。「シンプルにストライクをしっかり打ちたいと思っていました。微妙な低さでしたけど、よかったんじゃないかと思います」と振り返った。

チームは前日まで今季ワーストの8連敗。この日が8月初勝利でプレーオフ進出は厳しい状況となったが、大谷の野球と向き合う姿勢は変わらない。試合前にはエプラーGM、オースマス監督ら首脳陣が見守る中、ブルペンで40球。球速のメドを70マイル(約112・7キロ)から80マイル(約128・7キロ)に上げるなど、投手としてのリハビリのステージが上がり「良くなってきているという実感はあります」とうなずいた。

思い描くのは今季の成績だけでなく、来季以降の二刀流での完全復活。今、やるべきことを着実に-。常に勝利を求める一方で、目先の事象だけに一喜一憂しない思考こそ、大谷流に違いない。(ボストン=四竈衛)