好調だったはずのエンゼルス大谷翔平投手(25)が、持ち味を消された。25日(日本時間26日)のアストロズ戦に3番DHで出場し、3打数無安打。打率は3割を切り、2割9分8厘となった。

今回のア軍との3連戦は計12打数1安打の5三振。打球方向は一、二塁間が5(二ゴロ4、二失1)、中堅方向が2(中前打、中飛)とわずか2方向に限られた。リード打撃コーチが「球場のフィールド全体を使えるスイングで、全方向に打てる」と評する特長が、影を潜めた。

18日のホワイトソックス戦で8月初本塁打を放ち、20日のレンジャーズ戦後には打率3割7厘まで上げるなど、好調をキープしていた。それでも、ア・リーグ西地区1位のア軍バッテリーに封じられた。前日24日の第1打席は左腕マイリーの内角低めチェンジアップに空振り三振。この日も左腕バルデスに対して第2打席、内角カーブに腰を引いて見逃し三振。第3打席では内角から食い込むツーシームで二ゴロに倒れた。「甘い球をしっかり打ちたい」と話していた大谷。基本的に配球を読まずに来た球を打ち返すスタイルだが、ギリギリのコースに対応できなかった。

ア軍のマルドナド捕手は「大谷については何もないよ!」とニヤリ。昨年、エ軍で女房役を務めた元同僚で、大谷を熟知している。加えて首位チームらしい抜群の投手力も大きかった。逆方向への長打が出やすい真ん中から外寄りの高めのボールは全52球で1球もなく、失投もなかった。データだけでなく、ゾーンに投げきれる技術を見せつけられ、完敗した。(ヒューストン=斎藤庸裕)