<メッツ2-5カブス>◇27日(日本時間28日)◇シティフィールド

カブスのダルビッシュ有投手(33)が、メッツ戦で日米通算2500奪三振を達成した。

6試合ぶりに四球を出したものの、すべての球種を自在に操り、6回に新たな持ち球とした「ハードカーブ」で空振り三振を奪い節目に到達。今季最長の8回を投げ1失点で5勝目を挙げた。

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高校野球の球数制限の話題をはじめ、ダルビッシュといえば、自分の意見を主張するイメージが強いかもしれない。その一方で「やわらか頭」の持ち主でもある。こと野球に関しては、新しい知識に対して貪欲でかつ勉強家でもある。

今季は、親交のあるバウアー(レッズ)が使用している大きさ、重さの違う複数の球での投球練習を取り入れた時期もあった。21日のジャイアンツ戦の前には、途中加入したクローザーのキンブレルにカーブの投げ方を教わり、即座にブルペンで試投。実際に試合でも「ハードカーブ」として活用し、三振を奪った。

ツイッターなどSNS上で有益な情報があれば、相手が専門家でなくても参考にしたり、意見交換をすることも珍しくない。数日前には、オリックス近藤が取り入れている段差を使った体重移動のトレーニングを試してみるなど、旺盛で柔軟な探求心は変わっていない。主義、主張は明確でも、不必要な固定観念は持たない。多種多様な球種を操り、2500もの奪三振を重ねてきた要因は、持って生まれた才能だけではない。【MLB担当=四竈衛】