カブスのダルビッシュ有投手(33)が12日(日本時間13日)、野茂英雄に並ぶ4回目の年間200奪三振を達成した。

パドレス戦に先発し、6回2安打無失点、今季最多となる毎回14奪三振の快投で、6勝目(6敗)を挙げた。

序盤から快調に三振を重ね、5回の10個目で200Kに到達した。「200を超えるということは1年間投げているということ。そういう意味ではいいかなと思います」。剛腕の条件とも言える大台は、開幕以来、先発ローテを守った証しだった。6回無死から三塁打を許しながら3者連続三振。「1点は仕方ない。2ストライクに追い込んだら三振は取りたいなと」。走者をくぎ付けにし、今季最多タイの110球を投げ終え、マウンドを譲った。

かつてのような力任せではなく、円熟味を兼ね備えた奪三振ショーだった。最速155キロのフォーシーム、ツーシームの速球系を見せ球に、8種類の変化球を自在に操った。効果的だったのが、3試合前のジャイアンツ戦(8月21日)から投げ始めたナックルカーブ。その直前、クローザーのキンブレルから教わったばかりの新球で14個中7個をフィニッシュした。「緩いカーブとナックルカーブがあることで、お互いを引き立てているというか…」。手応え以上に、自信を深めるレベルまで仕上がった。

プレーオフ進出へ負けられない試合が続く中、連敗を止めた。今季は、残り3試合に登板予定。「投げる前は投げたくない。でもマウンドに立てば、自分のネガティブな部分はいつも飛んでいく」。のしかかる重圧は否定しない。だが、今のダルビッシュに崩れる要素は見当たらない。(サンディエゴ=四竈衛)