【サンディエゴ(米カリフォルニア州)12日(日本時間13日)=四竈衛、斎藤庸裕】メジャーのウインターミーティングが終了。DeNAからポスティング制度で米移籍を目指す筒香嘉智外野手(28)の移籍先が、レイズ、レンジャーズの2球団に絞られたことが分かった。2年契約をベースに総額10億円を超える好条件もあり、決着は秒読み段階だ。

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ウインターミーティング最終日。筒香の“就活”が、いよいよ最終コーナーに突入した。複数の米球界関係者によると、レイズとレンジャーズが最終候補に残り、一騎打ちの様相を呈してきた。

交渉解禁となった直後、真っ先に猛アタックを開始したのが、外野陣の補強を進めるレイズだった。今オフ、昨季33発の右打者レンフローをトレードで獲得したとはいえ、安定感不足。伸び悩む三塁ウェンドルもパワー不足で、左翼、三塁、DHとして期待できる筒香は、まさに適役だった。キャッシュ監督をはじめレイズ首脳陣は、日本での実績だけでなく、筒香のメジャー流へ対応するための打法、広角に打てる技術などを高く評価。すでに2年総額10億円プラス出来高の好条件を提示した見込みだ。

一方、日本に複数の専属スカウトを持ち、過去に日本人獲得に実績のあるレンジャーズは、常に筒香の動向に注視してきた。もっとも、左打ちの外野手が豊富だったこともあり、静観する状況だった。だが、今会議中に右翼マザラをトレードでホワイトソックスへ放出。狙っていた三塁レンドン獲得に失敗したことで、外野&三塁が可能な筒香がリストの上位に浮上した。さらに、山口に対しては早い時期から米移籍の情報を入手し、本格的に調査。同軍幹部が代理人との接触を認めるなど、前向きな姿勢は変わっておらず、筒香&山口の両どりが実現する可能性もある。

筒香との交渉期限は、米東部時間19日午後5時(日本時間20日午前7時)。現在、ロサンゼルス近郊に滞在し、トレーニングを続けるスラッガーが、どちらを選択するのか。最終決断は近い。

◆テキサス・レンジャーズ 61年にワシントン・セネタースとして創設、72年に本拠地をテキサス州アーリントンに移転し現チーム名に変更。ア・リーグ西地区所属、今季78勝84敗で3位。地区優勝7度、リーグ優勝2度。開閉式屋根付きの新球場グローブライフフィールドが来季オープンする。日本人は過去に上原、藤川、ダルビッシュら。チーム事情‥昨季93試合で三塁を守ったカブレラを8月に放出するなど、正三塁手が不在で補強が必須。ナショナルズFAのレンドンを狙うも獲得に失敗し、チーム内では若手の候補しかいない。外野も右翼マザラを放出したため、外野と三塁を守れる選手がチーム事情に合う。DHは韓国出身の秋信守が務める。

◆タンパベイ・レイズ 98年の球団拡張で誕生。08年に球団名をデビルレイズから変更。ア・リーグ東地区所属、今季96勝66敗で2位。08年に地区優勝しポストシーズン初進出、リーグ初制覇。地区優勝2度。本拠地フロリダ州セントピーターズバーグのトロピカーナフィールドはドーム球場。過去に日本人は野茂、岩村、松井。チーム事情‥現在40人枠に外野手が3人しか登録されておらず、補強が急務。中堅は守備の名手キーアマイヤー、左翼は今オフ獲得したレンフロー、右翼には球宴選出されたメドーズが控えるが、メドーズは今季DHでも44試合で起用された。来季も併用される可能性があるため、依然として外野手獲得が課題となっている。