レッズ秋山翔吾外野手(31)が、開港の地からメジャーへ出航する。16日、静岡・下田で自主トレを公開。昨年10月の右足薬指骨折が回復し、打って、守って、走って元気な姿を披露した。10年のプロ入り時と少し似た心境で「プロ入ったときも順応するにあたって簡単ではなかった。八戸(大)から出てきて所沢に住む。1年やらないと分からないこともある」とフレッシュに言った。

荒波の連続が予想されるメジャーでは、ノーサプライズの精神で波に乗る。初ものづくしが続いても「とにかくビックリしないこと。言い訳させてくれるならいいけど、許されない世界。対応できるかどうかは、何事にもまず驚かないこと。これが当たり前、これが普通と考えられれば、そんなにバタバタすることない」。メジャーの先輩、ヤクルト青木らに相談しながら心構えを整理。今は体力強化に集中する。

体が強くなれば、心もたくましくなっていく。「体さえ準備しておけば(メジャーで)何かあったとき練習に時間をさける。体力がないと練習に向けることはできないから」。西武を退団した山本健トレーナー(50)が一緒に渡米することが決定。気心知れた頼もしい仲間とともに、チーム秋山でビッグウエーブをつかむ。

渡米まで約1カ月。「今できることは、国際免許とって、ビザとって、携帯新しくして、車売って、駐車場解約して、準備というより身辺整理。言葉が通じない場合もあるので、そういうものかと思って準備します」。メジャーへの船出は、無心の境地でかじを握る。【栗田成芳】

○…秋山の愛弟子らが、恩返しを誓った。西武の後輩である鈴木は、抜けた外野手の定位置を狙う。「レギュラーでやる姿を見せることが恩返し。結果でも内容でも見せたい」と背中を追う。自主トレ3年目のDeNA細川も、チームでは筒香がレイズへ移籍しており「今年レギュラーを取れないと、来年はないくらい、強い気持ち。筒香さんが抜けた穴を勝ち取りたい」と力強く言い切った。