ヤンキース田中将大投手(31)が、早くも実戦形式での登板に進むことになった。バッテリーキャンプ2日目の14日(日本時間15日)、ブルペンで投球練習を行い、全球種を30球。今キャンプ初とはいえ、オフ期間を含めると計9回の投球練習を終えており、次回17日(同18日)はシミュレーションゲーム(模擬試合)に登板することになった。

昨季終了後、右肘クリーニング手術を受けた影響はまったく見られなかった。左膝を高く上げ、右足で力強くプレートを蹴り出すフォームは、持ち前の柔らかさに力感を兼ね備えていた。田中は「今は体がフレッシュな状態なので」と笑ったが、その意図は明確だった。「頑張って腕を振りたくないんです。下(半身)からのエネルギーをしっかり伝えていった結果、腕が振れる。自分から腕をガッと振りにいきたくない。そこは意識しています」。

投球中は、高性能の分析機器「ラプソード」で回転数などの数値を確認。もはやキャンプ序盤の段階ではなく、新任のブレーク投手コーチとも話し合い、実戦段階へ進むことになった。「集中力を保って投げることができているので、それがいい循環になっていると思います」。7年契約の最終年。円熟味を増した田中が、まずは快調に滑り出した。(タンパ=四竈衛)