【スコッツデール(米アリゾナ州)23日(日本時間24日)=四竈衛】マリナーズ菊池雄星投手(28)が、同地での自主トレを再開した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う春季キャンプ打ち切り決定後、1週間は完全休養。依然としてキャンプ再開、開幕日とも不透明ながら、来るべき日に備えて動き始めた。

心身ともにリセットするためにも、時間が必要だった。オフからほぼ休みなく練習を続け、新フォームで臨んだオープン戦では好調を持続。最後の仕上げに入る直前で、キャンプ中止、開幕延期が決まった。「中途半端に動くより、野球から離れて家族とゆっくり、子供と一緒に遊んだりとか、そういう時間に充てた方がいいんじゃないかという判断でした」。同地の自宅からは外出を控え、肩、肘を完全に休ませた。

現時点で開幕日は5月下旬から7月まで幅広く予想されており、選手とすれば具体的な調整プランは立てられない。だが、じっとしているわけにもいかない。「追い込みすぎてもいけないし、抜きすぎてもいけない、いつでも対応できるように、体を少しいじめる期間を作りたい。より良くなる期間だと思うしかないですね」。

6勝9敗、防御率5・17と、満足できなかった1年目から飛躍を期す2年目。「開幕が決まった日から万全の状態で行けるように、その中で最高のパフォーマンスが出せるように準備するだけです」。不測の事態の中にいても、菊池は心静かに、マウンドに立つ日を見据えていた。