【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)23日(日本時間24日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(25)の二刀流が戻ってくる。大リーグ機構(MLB)は7月23日か24日に開幕することを正式発表。合わせるべき目標が定まった。18年10月に右肘内側側副靱帯(じんたい)の再建術(トミー・ジョン手術)を行い、昨年は投手は封印。メジャー1年目以来、約2年ぶりの二刀流復活となる。屋外でのフリー打撃も開始し、開幕への準備を進める。

   ◇   ◇   ◇

大谷が開幕決定への思いをひと言に込めた。60試合のシーズン開催がMLBから発表され、自身のインスタグラムを更新した。24時間のみ閲覧可能のストーリー上に、昨年の公式戦で打者としてスイングした直後の写真を投稿。英語で「WE'RE BACK(戻ってきたぞ)」との文字を添え、メジャー開幕を待つファンに向けてメッセージを送った。

18年10月に右肘のトミー・ジョン手術を行い、3年目の今季は投打の二刀流でキャンプイン。当初、5月中旬に予定されていたメジャー復帰登板は、新型コロナウイルスの感染拡大による開幕延期で白紙となった。その後も、先行きの不透明な状態が続いたが、結果的に約4カ月の遅れは、大谷が二刀流として万全の状態で復活するのに十分な準備期間となった。

3月中旬にキャンプ中断となって以降は、本拠地エンゼルスタジアムで自主トレを継続。4月13日に約1カ月ぶりにブルペン投球を再開し、5月下旬には打者を相手に実戦想定の投球練習(ライブBP)を行った。自主トレ中の様子を視察したマドン監督からは「素晴らしい投球だった」と絶賛され、高い期待を寄せられる。また、この日はインスタグラムに屋外フリー打撃を再開した様子を投稿。センター方向へ鋭い打球を飛ばし、順調な仕上がりを見せた。

メジャー復帰登板は18年9月2日のアストロズ戦以来、開幕直後に投げれば約1年11カ月ぶりとなる。特別ルールにより、両リーグともDH制を採用することになったため、登板時に打者として打席に立つ「リアル二刀流」は来季以降にお預けとなる。それでも、開幕から中6日で先発ローテーションを回れば、60試合で9~10度の登板が可能だ。待ちに待ったシーズン開幕。二刀流が主役になる。