【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)24日(日本時間25日)=斎藤庸裕】異例の“短期二刀流”が輝きを放つ。エンゼルス大谷翔平投手(25)が18年と同様に、中6日の先発でローテーションを回り、登板間にDHで出場する見込みとなった。マドン監督がメディアの電話取材に応じ、現時点での起用法を明かした。メジャー2年間はともに初出場から2カ月で数々の記録をマーク。3年目、60試合の短縮シーズンは、二刀流がMVP獲得への後押しになる。

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何かやってくれそうな予感が、大谷に漂う。メジャーで二刀流復活を期待される3年目の今季、マドン監督が基本的な起用法に言及。60試合で例年より大幅な短縮となるが「より積極的に(起用する)というのは特に考えていない。これまで通りというのが、今の段階で思っている」と、1年目と同様に中6日で先発し、登板間にDHで起用していく方針を示した。

短期集中型シーズンで、調子をいかにキープするかが大きな鍵になる。大谷はメジャーで過去2年間、シーズン初出場から2カ月間で数々の名場面を生み出してきた。1年目は、本拠地デビュー戦から3連発、7回までパーフェクト投球、2年目は高校の先輩でマリナーズ菊池雄星投手(29)とのメジャー初対決で本塁打、日本人初のサイクル安打…。好不調のバイオリズムが開幕から2カ月間、ピークを保つ傾向があった。

60試合の今季は、先発登板が9~10試合となる見込み。中6日の登板間に打者として4試合出場すると仮定すれば、打者では35試合前後の出場となり、1試合4打席で換算して約140打席。同じ打席数で1年目と2年目の成績を平均すると、打率2割8分3厘、7本塁打、24打点となる。投手では1年目、開幕から2カ月で4勝1敗、防御率3・10の成績。好調を2カ月持続するならば、この数字は超えてくるはずだ。

そうなればシーズンMVPの可能性も夢ではない。これまでも、周囲の予想を上回る、驚くようなパフォーマンスを見せてきた。異例のシーズン、復活を遂げる二刀流から目が離せない。

○…マドン監督がチームの指揮に意欲を示した。66歳の同監督は、新型コロナウイルスに関して高いリスクが伴う65歳以上にあたる。安全や健康面について「精神的にも肉体的にも、準備をしてきた。個人トレーニングを懸命に取り組んできた。食べることや寝ること、免疫を高めることを全て、しっかりやってきた。心配はしていない。指揮をとりたいし、試合の現場にいたい」と意欲を示した。