開幕日が決定した際、過去の病歴などを踏まえ、今季プレーしない選択をする選手が出ることは、ある程度予想されていた。だが、この日、リークをはじめ、ジマーマン、デスモンドらオールスター級の主軸選手が続々と辞退を表明したことで、球界全体に「stay home」の空気が強まる可能性が一気に高まった。

これまでの労使交渉では、試合数や年俸面ばかりがクローズアップされてきたが、選手が最重要視してきたのは、感染対策だった。仮に、頑強で健康な選手が感染したとしても、適切な治療を受ければ回復する可能性は高いかもしれない。ただ、脂が乗ったメジャーリーガーと言えば、幼い子供や高齢の近親者を持つ世代。愛する家族への感染リスクを回避する選択をしたとしても、その断腸の決断は、決して批判されるものではない。

現在、米国内では感染者が1日平均4万人以上と爆発的に拡大しており、終息への糸口はまったく見えていない。現時点で試合日程は発表されていないものの、今後はフロリダ、テキサス、アリゾナなど感染拡大地域への移動を拒否する選手、スタッフが出る可能性もある。

機構と選手会の交渉が難航し、ようやくこぎつけた公式戦開催。個人の主義や主張を大切にする国だけに、今後、日本人選手を含め、辞退者が続出する可能性は捨て切れない。【MLB担当 四竈衛】