友人の思いも背に、異例のシーズンに臨む。エンゼルス大谷翔平投手(25)が1日(日本時間2日)、自身のインスタグラムを更新し、「RIP#45」とつづった。「Rest In Peace(どうか安らかに)」。仲の良かった左腕投手、スカッグス氏が急逝してからちょうど1年。同氏の背番号45を着用した選手たちが三塁側で黙とうをささげた写真を添え、故人をしのんだ。

突然のつらい別れだった。昨年7月1日、レンジャーズ戦でテキサス州アーリントンに遠征中、スカッグス氏は宿舎で急死。当日の試合は中止となった。チームメートでは唯一、大谷と代理人事務所(CAAスポーツ)が同じで「(エンゼルスに)入ったときから声をかけてくれて、僕もすごく入りやすかった。本当にお兄ちゃんみたいな感じだった」。プレーしやすい環境を整え、メジャーでの活躍を後押ししてくれた。

恩返しは、まだかなっていない。ずっと慕っていた兄貴分のためにも昨年、「なんとかシーズン終わった時に、墓前にチャンピオンリングを持っていけたら」と胸に刻み、懸命に戦った。だが、チームは5年連続でプレーオフ進出を逃し、大谷も9月中旬に左膝の手術で離脱。誓いを果たすことなく、2年目を終えた。

今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が4カ月遅れ、60試合制の短縮シーズンとなった。だが、1日の米国の新規感染者数は5万人を超え、依然として予断を許さない状況。シーズン辞退の選手も出ているが、大谷を含め、現時点でエンゼルスからは辞退の意向を示す選手はいない。亡き友人へ優勝を報告する-。リスクを背負いながらも、誓いを胸に一丸で異例のシーズンに臨む。