【アナハイム(米カリフォルニア州)3日(日本時間4日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(25)が二刀流復活に向け、本格的に再スタートを切った。7月下旬の開幕に向け、チーム練習を再開。ブルペン入りで37球、春のキャンプから継続していた故障防止の新フォームを確認しながら、全球種を交えた。フィジカル強化で万全の状態を披露し、投打で順調に初日を終えた。

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力強さが増した腕を、歯を食いしばりながら振った。大谷がキャンプ再開の初日に早速ブルペン入り。イメージ通りにいかない投球に悔しがり、またリラックスした時には表情を緩める。野球と向き合い、楽しむいつもと変わらない姿があった。体はしっかり絞りながら、また少し大きくなった印象だ。マドン監督から「フィジカル面で本当に強くなっている」と驚かれるほど、キャンプ再開初日から万全の状態を披露した。

けがをしない-。決意の表れも見えた。18年10月に行った右肘のトミー・ジョン手術から復活をかける今シーズン。キャッチボールでは、まるで捕手のようなテークバックで後ろをコンパクトに、フォロースルーで腕を大きく、鋭く振った。左足をステップする際に肘から右腕を上げるのではなく、球を持つ手から上げるよう昨オフから修正。今年の春キャンプでも取り組んでいた肘の負担を軽減するフォームを継続していた。

今季は開幕から60試合、二刀流での活躍が期待される。異例の短縮シーズンだからこそ、けがや新型コロナウイルス感染で離脱すればチームにとって大きな痛手となる。6年ぶりのプレーオフ進出へ、主砲トラウトは「大谷も投手として戻ってくる。全員が健康で、けがなくいくことが一番大事」と話した。投打でキーマンとなる大谷。シーズンを通して好調を維持することが求められる。

この日のブルペンでは37球、直球、スプリット、スライダー、カーブ、全球種を投げ込んだ。投球後、マスクを着用したキャロウエー投手コーチから、右腕のテークバックの指導を受ける場面もあった。打者としての練習では実戦練習で5打席立ち、スイングはせずに22球、目慣らしを行った。チームメートとの接触やハイタッチはない。引き続き厳戒態勢が敷かれる状況だが、二刀流の完全復活へ向け、着実に前進する。