レッズ秋山翔吾外野手(32)が2日(日本時間3日)、タイガースとのダブルヘッダー第1試合で値千金の勝ち越し打を放った。今季限定の7イニング制で、同点で迎えた7回無死一、三塁から右前へ決勝打を放った。

相手守備は、バックホーム態勢の前進守備。秋山の俊足があれば、少なくともゴロを打てば併殺の可能性は低い。タ軍のクローザー、ヒメネスの外角へ逃げるチェンジアップを拾った打球は、計ったかのように一、二塁間を抜けた。「狙ってできるんだったら、ましな打席が増えていると思うんですけど…。あの守備隊形じゃなければ抜けてないと思います」。手応えとすれば、会心の一打には程遠かった。ただ、定位置確保を目指す秋山にとって、勝ち越し打の結果こそ、感触以上に重要だった。

第2試合は相手先発が左腕のため出場しなかったが、メジャーならではの経験だった。NPBでは1998年以来、ダブルヘッダーが実施されておらず、プロとしては今回が初体験。しかも、7回制となれば少年時代以来だった。「あんまり覚えてないです。大学、高校の時も公式戦ではなかったと思うので…」。米統計会社エリアス・スポーツによると、大リーグで9回未満のダブルヘッダーが行われたのは、1912年9月19日の「クリーブランド・ナップス-ボストン・レッドソックス」以来、108年ぶり。そんな歴史的な1日に決勝打で貢献し、チームは2つの白星を重ねた。

開幕して10日目。「必死にやってます。1本を出すための生みの苦しみっていうのは日本の時にもありましたけど、より1本安打を打つ大変さは改めて感じてるところもあります」。メジャーリーガーになっても、純粋な心意気は少年時代とさほど変わっていないのかもしれない。